はり・きゅう

 

一般に、鍼灸治療は肩こり、腰痛、神経痛、関節炎ぐらいにしか効果が無いように思われがちですが、その他に、五十肩・膝痛・頭痛・生理痛・不妊・便秘・逆子・冷え性・眼精疲労・不眠症・円形脱毛症・スポーツ障害・しびれ、などさまざまなつらい症状や病気に効果があります。 

 

「はり」と聞くと痛い感じがありますが、鍼の直径は0.2ミリ程度と髪の毛位のものです。

刺された時は何も感じないか、少しチクッとする程度です。

治療に用いる鍼は使い捨てですので、鍼から病気が感染することはありません。

また、鍼の副作用はほとんどありません。しかし、治療後一時的にだるさが残ることがあります。

これは治療に慣れていない人に起こりやすい症状です。

ほとんどの場合次の日には回復します。また、時に小さな内出血が起こることがあり、紫色から黄色くなって1週間程で消えます。

注射のような痛みはなく、出血もほとんどありませんので安心してお試し下さい。

 

「お灸」はとっても熱くじっと我慢しなければならない感じがありますが、そんなことはありません。

お灸の方法には皮膚の上に直接モグサをのせる直接灸と、当院で使用する間接灸があります。

直接灸は瞬間的な熱さがあり、ヤケドの心配もあります。

しかし当院で使用するお灸は、モグサをのせる台(陶器)と皮膚の間に隙間を作り台から伝わる余熱で身体を温めます。ヤケドや跡が残るといった心配もなく、心地よい温かさが長く続き、非常に気持ちの良いものです。特に慢性的な痛みに効果があり、血行の促進により身体がポカポカしてきます。

お灸をすることで赤血球が増えて血流が良くなり、血小板の働きを良くして治癒の促進を促し、白血球の働きを良くして免疫機能を亢進する働きがあります。

 

 

はり・きゅうは、なぜ効くの?

 

・鎮痛作用

はり・きゅう刺激は脊髄や脳の色々な部位に伝わり、神経系を介して痛みを感じにくくさせる体内の麻薬様物質(内因性オピオイド)の働きが活発になることにより内因性疼痛抑制機構が働き、痛みの信号が脳へ伝わることが抑えられ、鎮痛作用が起こると考えられています。

 

・血液循環の改善

はり刺激は筋肉に微小な損傷を与えることで、感覚神経を刺激すると共に、筋肉や血管から様々な血管拡張物質を放出させ筋循環を改善します。

筋循環の改善は発痛物質や疲労物質の洗い流しを促し鎮痛や疲労回復を促進します。

 

・自律神経の働きを調整する

自律神経は内臓(心臓・胃・腸・肝臓などのすべての内臓)や器官(血管・分泌腺など)の働きをコントロールして体内の環境を整える神経です。

自律神経には2つあり、交感神経(緊張しているときの神経)と副交感神経(リラックスしているときの神経)が無意識下でバランスを保ちながら働いて生命を維持し健康を保っています。

 

はり・きゅう刺激は、感覚神経→脳→自律神経→内臓・器官の働きを調整するという体性自律神経反射が働いて各臓器・器官の働きを調節します。