手首・肘痛

手首の痛み

手首の関節は橈骨・尺骨・舟状骨・月状骨の4つで構成されています。

手関節では橈骨が関節を形成していますが、尺骨側は関節円板を介して連結しているため、尺骨手根関節は「ゆるい関節」となっています。
そのため、日常生活で重いものを持ち上げる動作などで、関節円板、伸筋支帯を損傷しやすくなっています。
床に手をついて手首に痛みや固さを感じる場合、月状骨・舟状骨が前方に滑る事ができずに橈骨との間が狭くなり痛みが出てきます。

 

肘の痛み

肘関節は上腕骨・橈骨・尺骨の3つで構成されています。

曲げ伸ばしの動作は上腕骨を軸として尺骨が動きます。内側・外側のひねりの動作は、尺骨を軸として橈骨が動きます。
スポーツや労働により腕を酷使すると、尺骨を軸にして橈骨が離れようとする力が加わり過ぎると痛みが出てきます。

 

 

放っておけば治るかと思ったが、なかなか痛みが取れずに来院する方が多くいます。
手首の関節が固まって柔軟性が無くなった状態になっています。更に筋肉緊張により新たな痛みが起こります。
筋肉の緊張を取るために患部の血流を良くし、痛みを取っていきます。
手をついての痛みには、手根骨がスムーズに前方に滑るよう調整していきます。

 

肘関節を構成する橈骨は尺骨と靭帯で繋がっているだけなので、酷使すると尺骨から離れてしまいます。

後方に変位した場合は、元に戻りにくくなっているため腕を内側にひねると肘に痛みが出ます。
橈骨頭を後方から前方に戻す治療をしていきます。 

 

 

TFCC損傷

 

『立ち上がろうとして手をついた際に、手首に痛みが出る』

『ドアノブを回してドアを開けようとすると、手首に痛みがでる』

『手首を動かすと、痛み以外にカチカチとクリック音がなる』

『手首に痛みを感じてから時間がたっても痛みが取れない』

『痛い場所を冷やしたり湿布を貼ってもなかなか状態が変わらない』

 

TFCCと言われるのは、人の手首にある三角繊維軟骨複合体という場所になります。

TFCC(三角繊維軟骨複合体)は骨ではなく、靭帯や半月板のような軟部組織で母指側の腕の骨である橈骨、小指側の腕の骨である尺骨、8つある手根骨と言われる手の骨の間にある小さな組織にになります。

この小さな組織であるTFCCは、手首の外側にかかる衝撃を吸収するクッションのような役割と手首自体を安定させる役割があります。

この軟部組織に損傷をきたしてしまうことを『TFCC損傷』と言います。

主な症状として、手首を小指側にひねる動作をした際に手首の小指側に痛みが出てしまう。

痛みが出た際にカチカチと手首からクリック音がするというような症状になります。

例としては、ドアノブをひねる動作や手を床につけて起き上がろうとした際に痛みが出てしまいます。

 

 

原因としては以下の3つに分けられます。

 

1:交通事故などで強い衝撃が手首に加わり発症するもの。

バイクや自転車の運転中に転倒し、手を強く押されて倒れてしまうケースや、ハンドルを握っている際に強く手のひらを返す動きがあるものなど。

 

2:手首をひねる動作を繰り返し行うことで負担が増えてしまい発症するもの。

ドライバーなどの工具を繰り返し使用し手首に負担がかかる。または、テニスなどのスポーツで手首を酷使してしまうものなど。

 

3:加齢から手首に変形がおこり発症してしまうもの。

年齢を重ねることで周りの骨が変形してしまい、普通はかからない負担がかかってしまうもの。

 

日常生活で、腕や手首を動かさない日はなかなかありません。

常に負担のかかりやすい部位なので疲労が溜まりやすく、回復が追いつかない為、痛み自体もなかなか改善しにくいです。

また、負担のかかる手首の使い方を身体が覚えてしまうと、その動作も癖になってしまい、負担が掛かり続けてしまいます。

損傷してしまった部分の治療だけではなく、日常生活での動作や身体の使い方も治す必要があるのです。